読むと役立つ連載コラム

長瀬真利雄税理士事務所 税理士 長瀬真利雄

こんにちは。長瀬と申します。私は、大学卒業後、広告代理店や経営コンサルティング会社などで主に企業様の業績アップのお手伝いをしておりました。
その後、会計事務所に転職しこの業界に入ったのですが、当時、経理の現場を見て最初に感じたことは「本当に無駄が多い!」ということです。
特に、これから起業される方には、経理業務をできるだけ軽くして本業に集中して頂く必要がありますので、是非参考にしてみて頂ければと思います。

経理業務はできるだけ軽くして本業に集中!  長瀬真利雄税理士事務所 税理士 長瀬真利雄

第一回 「誰でもできる化」で経理業務を効率化

経理の現場で仕事をしたことのない人にとっては「経理」と聞くだけで、「自分とは関係ないもの」「自分が口を出してはいけないもの」と思いがちです。私も経理の現場に入って仕事をするまでは、そのように思っていましたが、実際現場に入って思ったことは、「確かにこれは目を背けたくなるやり方をしているな~」ということでした。

例えば、単純には「外部に支払いをする」という行為が、最も原始的なやり方をしている経理の現場では
①支払いの請求書を受け取って、
②内部の支払い管理用のエクセルファイルにその内容を入力して、
③振替伝票に勘定科目のハンコを押して金額を記入後、
④その振替伝票を見て会計ソフトに仕訳を入力して、
⑤支払い日がくれば、支払い管理用のエクセルファイルをプリントアウトして、通帳と印鑑を持って銀行に行って(場合によっては、1時間くらい待たされて)、銀行から帰ってきたら、
⑥出金伝票に勘定科目のハンコを押して金額を記入後、
⑦その振替伝票を見て会計ソフトに仕訳入力して・・・
という、文章で書くと既に何が何なのかわからない状態になります。
これは中小企業におけるごく一部の極端な例ではなく、このような処理を今日現在も行われている経理の現場も結構多いのです。

さて、引き続き上記の例でお話しさせて頂きますが、
②と③と④、②と⑥と⑦は「完全に同じことをやっている」
ということにお気づきになりましたでしょうか?3回も同じことをやっているということです。
確かに、会計処理(=帳簿作成、例の④と⑦)をパソコンでやっていなかった時代には、チェック体制を強化する(転記ミスを防ぐ)という観点から「最低限2重の処理を行う」ということには意味があったのでしょうが、会計処理をパソコンで行うようになった時点で、その作業に意味がなくなっています。

繰り返しになりますが、このようなことは実際多くの現場で行われています。経理をやったことのない人が、何十年も経理をやっていましたという人に「昔からこのやり方でやっています。」と言われれば、「あっ、そうですか。じゃぁお任せします。」と思わず言ってしまいがちですが、それではいつまでたっても「無駄な作業」=「無駄なお金」が発生し続けてしまいます。

そこで、もし上記のような状態に心当たりがある場合にお勧めしたいのが「誰でもできる化」です。
つまり、「経理は専門性が高い」と良く言われますが、それが「本当の意味での専門性」なのか、「単にこだわっているだけ(多くの場合、無意識的に・・・)」なのかをはっきりさせるということです。
これは現場の経理部門に、ひとつひとつの作業の意味を聞いてみると簡単に答は出てきます。
「この作業は何のためにやっているのですか?」と聞いてみてください。
「いやっ、前の担当者からこの方法でやっています!」「税理士の先生に言われました!」というような答が返ってくる場合は単にこだわりの場合が多いです。
一方、「これで支払い額を計算します。」「これを整理しておくことで支払った証拠になります。」というように経理をやったことがない人がわかる答が返ってくるものは専門性である場合が多いです。

特に、高齢の税理士にお任せでやってもらっている場合や経理をずっとやっていましたという人を経理責任者に雇っている場合、業務の大半が「誰でもできる化」の対象となる場合が多いです。
この「誰でもできる化」の対象となる部分は、
①そもそも不要なので業務をなくす、
②機械(コンピューター)にできることなら機械にやらせる、
③社員じゃなくてもできることならアルバイトさんにやってもらう、
④社内でやる必要のないものはアウトソーシング会社に委託する、
などを行って徹底的に効率化するべきでしょう。

次回は、「第二回 適正な経理コストとは?」をお送りします。