読むと役立つ連載コラム

税理士法人 住吉内山事務所 税理士 住吉真

こんにちは。税理士の住吉 真と申します。
このホームページをご覧のみなさまにとって、やはり『税』の問題はいつも気になる存在なのではないでしょうか?
このコンテンツでは、中小企業のみなさまに直結する『税』の話を取り上げて参ります。
「税法は難しい、わかりにくい」と言われていますが、ここでは、できるだけ「わかりやすく」そして「“旬”の情報をあわせて」ここ、東京は浅草・雷門の事務所から発信していきたいと思います。

やっぱり気になる『税』のはなし  住吉税理士事務所 税理士 住吉真

第三回 やっぱり気になる『確定申告』(その2)

前回に続き、所得税の『確定申告』について連載していきたいと思います。今回も、スペースの関係で、関連URLをご紹介して話を進めてまいりますが、ご了承ください。

★ちょっと気になる『エコカー補助金』の話
マネー雑誌にも取り上げられているようなので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、『エコカー補助金』の取扱いです。

☆原則、課税!?
この『エコカー補助金』は、なんと、『原則として課税』です!このエコカー補助金、もしその車が自家用なら「一時所得」の収入金額に、業務用ならその業務にかかる所得(不動産所得、事業所得、山林所得、雑所得)の収入金額になります。

☆「申告不要」の規定との関係
ところで、サラリーマンの方が自家用車でエコカー補助金を受けた場合ですが、前回掲載いたしました、「給与を1か所から受けていて、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の場合は確定申告不要」の規定との関係がとても大切になります。
一時所得の金額は次のように計算します。
( <総収入金額-その収入を得るために支出した金額> - <特別控除50万円> ) × 1/2
要するに50万円引いて半分、ということですが、そうすると一時所得の収入金額が補助金『だけ』の場合は、補助金が90万円までなら、一時所得は20万円以下になります。ですから、この場合は給与の他に所得がなければ、「申告は不要」ということになるわけです。
ですが、注意をしなければならないのは、他に所得がある場合です。また、たまたまその年に一時所得になる他の収入があった場合、たとえば生命保険の満期返戻金があった、なんていう場合も注意しなければなりません。
(「申告不要」の規定の適用と医療費控除などとの関係は前回をご参照ください。)

☆「国庫補助金等の総収入金額不算入の特例」の適用で、課税なし!
それでは、エコカー補助金は、申告不要にならない限り、やはり課税されてしまうのでしょうか?
実は「国庫補助金等の総収入金額不算入の特例」の適用で、収入金額に入れなくてよくなります!
なんだ、結局は課税されないんじゃないか、と思われるかもしれません。たしかに、この規定の適用を受ければ課税されないのですが、適用には条件があります。
「確定申告書に規定の適用を受ける旨、規定により総収入金額に算入されない金額その他一定の事項の記載がある場合に限り、適用する。」つまり、「当然に課税されない」のではなく「確定申告して規定の適用を受けます」と示さなければならないのです。
用紙は国税庁ホームページ(申告書・申告書付表と税額計算書等一覧(申告所得税))からダウンロードできます。
もうひとつ注意しなければならないのは、業務用車両の購入の場合です。同じく、この規定の適用で収入金額に入れなくてよくなりますが、その代わりに車両の取得価額から補助金額をマイナスしなければなりません。
すなわち、車両の実際の取得価額から補助金の額をマイナスした金額が、その車両の取得価額とみなされ、それをもとに減価償却の計算をすることになりますから注意が必要です。

それでは、ここからは前回の続きです。

  • 個人事業主・自営業の方の確定申告
    (3)減価償却って?
    事業主の方が確定申告をするにあたって、いちばん苦労されるのが、この「減価償却」であるようです。
    減価償却とは、「減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続」です。
    減価償却資産とは、事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産で、一般的には時の経過等によってその価値が減っていく資産をいいます(土地や骨とう品などのように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却資産ではありません)。
    減価償却資産の取得に要した金額は、取得した時に全額必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていくのです。
    ただし、次のような基準が設けられています。
    ①使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満のものは、その取得に要した金額の全額を業務の用に供した年分の必要経費とします。
    ②取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下でその減価償却資産を一括し、その一括した減価償却資産の取得価額の合計額の3分の1を、その業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入することができます。
    ③一定の要件を満たす青色申告者が、平成18年4月1日から平成22年3月31日までに取得した取得価額10万円以上30万円未満の減価償却資産(上記②の適用を受けるものを除きます。)については、一定の要件の下でその取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの取得価額の合計額をその業務の用に供した年分の必要経費に算入できるという特例があります。
    ④取得価額の判定に際し、消費税の額を含めるかどうかは納税者の経理方式によります。すなわち、税込経理であれば消費税を含んだ金額で、税抜経理であれば消費税を含まない金額で判定します。なお、免税事業者の経理方式は税込経理になります。

    ところで、平成19年度税制改正では、平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産については償却可能限度額及び残存価額が廃止され、1円まで償却することとされたことや、定率法の計算方法などの大幅に改正が行われました。
    減価償却の方法については国税庁ホームページ(定額法と定率法による減価償却)に詳細が掲載されています
    (平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産の減価償却については、国税庁ホームページ(旧定額法と旧定率法による減価償却)を参照してください)。
    上記国税庁の各ページをご覧いただいておわかりになると思いますが、やはり、計算は複雑で、間違いやすい項目であることは確かです。そこで、前回青色申告のところでもお話いたしましたが、上記のような考え方や判断基準を念頭に、会計ソフトを活用されてはいかがでしょうか?

  • 今年の確定申告の主な改正点
    ここでは、今年の確定申告における改正点のうち、主なものを記してみます。
    (1)上場株式等の配当に申告分離課税が創設
    平成21年1月1日以後に支払を受けるべき上場株式等の配当等については、総合課税のほかに申告分離課税を選択できます。
    申告分離課税の選択は、申告する上場株式等の配当等に係る配当所得の全額についてしなければならず、申告分離課税を適用した上場株式等の配当等に係る配当所得については、配当控除は適用されません。
    (2)上場株式等に係る譲渡損失の損益通算
    申告分離課税を選択した場合には、上場株式等の譲渡損失との損益通算及び繰越控除ができます。
    ※平成20年以前に生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額で平成21年以後に繰り越されるものについても、平成21年以後の上場株式等に係る配当所得の金額から控除することができます。
    (3)いわゆる住宅ローン控除の改正
    適用期間が5年間延長されるとともに、控除期間、住宅借入金等の年末残高の限度額、控除率等が定められました。
    また「認定長期優良住宅の新築等に係る特例」が創設され、該当する場合の控除期間、住宅借入金等の年末残高の限度額、控除率等が定められました。
    (4)バリアフリー化・省エネ改修工事の場合の控除
    ①バリアフリー化
    平成21年4月1日以降、平成22年12月31日までの間に一定のバリアフリー改修工事を行った場合は、住宅の増改築等に係る住宅ローン控除との選択により、工事費(200万円を限度)の10%の特別控除を受けられる制度が創設されました。
    ②省エネ改修特別控除
    平成21年4月1日以降、平成22年12月31日までの間に一定の省エネ改修工事を行った場合は、住宅の増改築等に係る住宅ローン控除との選択により工事費(200万円を限度・太陽光発電装置は300万円)の10%の特別控除を受けられる制度が創設されました。
    (5)特定の土地等の長期譲渡所得の特別控除の創設
    個人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得をした国内にある土地等で、その年1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡をした場合には、その年中のその譲渡に係る長期譲渡所得の金額から1,000万円を控除することとされました。
    (6)平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例の創設
    不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行う個人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に、国内にある土地等の取得をし、その取得をした日の属する年の12月31日後10年以内に、その者の所有する他の事業用土地等の譲渡をしたときは、その事業用土地等の譲渡利益金額からその利益金額の100分の80に相当する金額を控除した金額に相当する金額をその事業用土地等の譲渡による譲渡所得の金額とすることとされました。
    この適用を受ける場合は、その取得をした日の属する年の翌年3月15日までにその取得をした土地等につきこの特例の適用に係るものである旨その他一定の事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署に提出しなければなりません。
    ※改正点の詳細については、こちら(平成21年分 所得税の改正のあらまし)PDFをご参照ください。特に特例の適用には条件があるものがありますので、必ずご確認ください。

  • 電子申告e-Taxについて
    最後に、いま話題の電子申告e-Taxについて記載したいと思います。
    e-Taxは、すでにご存じかと思いますが、インターネットで申告等を行えるシステムです。e-Taxで申告すると、たとえば、こんなメリットがあります。
    ①最高5,000円の税額控除
    平成21年分の所得税の確定申告を本人の電子署名及び電子証明書を付して、申告期限内にe-Taxで行うと、所得税額から最高5,000円の控除が受けられます(昨年までの確定申告でこの控除を受けた方は、受けられません)。
    ②添付書類の提出省略
    医療費の領収書や源泉徴収票等は、その記載内容を入力して送信することにより、提出を省略することができます(3年間、税務署から書類の提出又は提示を求められることがあります)。
    ③還付金がスピーディー
    e-Taxで申告された還付申告は紙の申告と比べて早期に処理されます。
    ④24時間受付
    所得税の確定申告期には、24時間e-Taxの利用が可能です。
    一度使ってみると、本当に便利です。私の事務所では、昨年から(やむを得ない場合を除いて)すべてe-Taxで申告を行っています。
    せっかくPCを活用されるのでしたら、申告もe-Taxの利用を検討されてはいかがでしょうか。

次回は、「第四回 消費税の『簡易課税』って?」をお送りします。