読むと役立つ連載コラム

鈴木税理士事務所 税理士 鈴木久美子

はじめまして大阪府堺市の税理士 鈴木久美子です。
会計事務所しか勤務したことのない税理士さんと違って、私は中小企業での経理を経験し、資金繰りの重要性を肌で感じて参りました。
中小企業では、損益(儲け)は理解できても資金との関連性には無頓着な経営者の確率が高く、そのために資金がなくなって倒産する確率も当然ですが高いです。

このコラムでは単に資金繰りのノウハウだけでなく、
経営(事業を継続すること)の視点も合わせて述べて参ります。

資金繰りを制する者は経営も制す  鈴木税理士事務所 税理士 鈴木久美子

第二回 資金繰りがなぜ必要か?

資金とは何を指すとお考えですか? 現金と預金です。では当たり前過ぎますね。ところが左にあらず・・・。

現金管理をきちんとしていない中小企業が少なからずありまして(+_+)決算書に載っている現金はホンマは違うことがままあります(@_@;)こういう場合は実際にある現金で判断します。

預金には当座預金・普通預金・積立預金・定期預金などがあります。金融機関から借り入れをすると引き換えに積立預金をすることを要求されることがあります。これを資金と呼ぶには障害がありますよね。だって使えないんですから・・・。実質は担保を提供しているのと同じことです。

こう考えると実際に使える資金はナンボになりましたか?これは今日の時点での資金の在庫です。では明日以降に売上代金はどう入金されますか?同時に仕入や外注代金はどう支払いますか?給料や販売費は?家賃や諸経費はどうですか?

その結果、資金は毎日ショートせずに回って行きますか?ショートするとしたらいつ頃でしょうか?こう考えると、ある程度の資金の在庫が必要だということがわかると思います。 また、急に大きな商談がまとまりそうになったとき、売上代金が入金されるより先に支払う必要があるのはナンボで、それは何日なのか?をシュミレーションしてみましょう。大きな金額なら、その資金の在庫があるのか?なければどのような方法で調達(手に入れる)のか?借り入れなら返済して行けるのか?どちらもできなればその商談はご破算です。予想される利益はパーです。

もうひとつ、資金調達を借り入れで行う場合、金融機関が行う査定は資金の在庫があるかどうかが重要なポイントになります。過去の経営成績や売上規模も査定の基準であることはもちろんですが・・・。借りた金を返せない企業が増えて金融機関も融資の引き締めに入っているので査定は以前に比べるとより厳しくなっているのです。

資金の在庫が少ない場合はビジネスを展開するにはかなり不利です。

現金の管理を楽にするコツは現金取引そのものを減らすことです。入金はできるだけ金融機関を通し、支払いはまとめて月末に振り込みにすれば資金繰りの予定も立てやすくなります。

ところで、経理というものは整理整頓する能力がある人が担当する必要があるという鉄則をご存じですか?今の担当者にその能力がないのであれば、あなたのビジネスはそれだけでスタートラインからずっと後ろにいると思って下さい。なぜなら、あなたが見る経理と会計の情報は正しくないのですから・・・。 中小企業では経営者自身が現金管理をしている場合があります。これが案外ルーズになりやすいんですよね。扱う現金の上限を少なくすればそういう細かい仕事は従業員に任せた方が経営に専念できますよ。

次回は、「第三回 資金の在庫はどうやって作るのか?」をお送りします。